数ある動物病院の中から、当院のホームページにお越しいただきましたことに感謝申し上げます。
「動物達が与えてくれた無限の愛情に心から応えたい」。
動物は、小さなお子様には命の大切さや友情を育むことについて学びを与えてくれ、日常生活では癒しや笑顔を、介護が必要な人には温もりを与えてくれます。そうした彼らも人間と同じように病気にかかったり、怪我をしたりと、その命を支えるための医療行為を必要とします。当院は、そうした動物たちが人に与えてくれる愛情、動物と触れ合うことを通じて気づかせてくれる気持ち、様々な学びを与えてくれることに、医療行為を通じて応えたいという想いをもって設立されました。
医療行為について彼ら動物は人間と違い、痛みや苦みを言葉で伝えることができません。人の場合はある程度自分自身で健康管理をすることができますが、動物の場合は同居する皆さん自身がまず異常に気付き、私たち獣医師と一緒にその痛みや苦しみの原因の所在を明らかにしていくことが大切です。
当院では、病気や怪我の診断と治療に際して、普段の生活の様子などをできるだけお伺いし、可能な限りの苦痛を除去し、食事をして排便排尿が可能であるという健康な状態に戻れるように尽力致します。
人と同じで動物も、出来れば病院には来る必要がない健康な状態でいることが一番です。我々は、予防医療により未病を防ぐ事が、動物の健康維持し皆様が豊かな生活を送られることと考えております。また、過剰で偏った医療にならないように、いわゆる統合医療を推進致します。さらには、動物本来の自然治癒力を発揮できる再生医療も積極的に実践しております。詳しい内容につきましては、HPを進んで見ていただき、スタッフにもご相談ください。
では、どういう医療体制が最善であるかを考えました。基本的に、横浜市の地域医療に貢献することを目標としました。つまり、「横浜市内の患者は、横浜市内の動物病院でなんとかする。さらには私の病院で出来るだけなんとかする!」いうことです。当院は実際に、横浜市獣医師会に所属して横浜市内の他の病院の先生方と交流して協力体制を取っております(獣医師会に所属されている病院に限ります)。我々、1次診療病院では、大学病院や高度医療病院への2次診療と連携しつつ、治療のニーズに合わせたチームによる医療態勢を実践しております。その中で、地域の方々は出来るだけ近隣での医療機関で対応して欲しいという声を多く聞いて参りました。また、夜間救急についても不安のお気持ちをお持ちでらっしゃると思われます。現在、当院での専門性、医療機器、時間外診療に対してはやはり限界があります。しかしながら、この現状を少しずつ改良出来れば皆様の安心をお守りすることが出来ると思っておりますので、その成長過程を末長く見守って頂きたく存じます。勿論、横浜市の方々のみならず県外からの方も御来院頂いており、今後も遠隔からの方々を優遇できる対応を検討しております。また、これから動物を飼いたいという方、感染症予防のワクチン接種や寄生虫駆除、避妊去勢手術希望の方、普段の健康管理や躾について知りたいという方、様々なご相談に対応しております。
最後に普遍的ではありますが、真摯な心を大切にした関わり合いを忘れないことをスタッフ一同肝に命じていきたいと思っております。限られた時間の中ではありますが、コミュニケーションを大切にし、明快で的確な会話が出来る事を目標とします。日々慢心せず、動物と飼い主の皆様に対応するようにするためには、個人個人が心身ともに毎日鍛錬していくべきであります。心を整え、頭と肉体を鍛錬した者でないと、飼い主様や動物に手を差し伸べることが出来るはずがないでしょう。私個人も日々成長するような生活を実施し、若いスタッフの道徳的な人材の育成も計画しております。ただ単に「頑張ります」というだけでは何の責任の重みもありません。チームとして病院を維持し、個人が健康的に鍛錬できるシステムを論理的に構築している最中であります。それには、飼い主の皆さまからのご意見やご指導が我々には必要でありますので、遠慮なく我々にお申し付けして下さい。
以上をもって、ご挨拶とさせていただきます。
我々が今やらないといけない事は、「地域」の社会システムを見越した総合的な診療。獣医師が、コミュニケーションも機械も駆使しながらそうした役割を担う時代に戻ることで、動物と皆様の笑顔を守ることに邁進致します。
2016年 秋
上田 一徳